鮫島さんの朝の夢 

新米サラリーマンが日常をつづります。

クレイマークレイマー

クレイマークレイマーを見た。
かつて父はこの映画を観て、子育てのコツとフレンチトーストの作り方を学んだと言った。
小学1年の冬のころ、父に説教を受けた。たわいもない説教だ。内容は忘れてしまった。学校のテスト用紙に落書きばかりしてちゃんと答えを書かなかったとかそんな内容だと思う。映画の中の父子と同じくらいの年関係だった。確か日曜日の午後で、生まれ育った街が見渡せる寺の境内に暖かい飲み物を飲みながら座っていた。説教を切り出す時、父が次のように言い切ったのは今でもよく覚えている。

「父さんが1番大事なのは母さんだ。子供たちはその次だ。」

当時の僕は面食らうという表現を知らなかったが、この人はなんだかすごいことを言っているなと思った。

映画を観終わり、エンドロールのところで、子どもを育てる際に1番大事なことは、夫は妻に妻は夫に至上の愛を注ぎ続け、夫婦の関係を良好に保つことなのではないかと思った。そして父もこの映画を観て、そう確信したのだろうなと思った。

そういう考えに立脚して、あの時の逆説的な発言があるのだろう。

最後のお別れのシーンではにべもなく泣いた。私は男の友情モノに弱い。