鮫島さんの朝の夢 

新米サラリーマンが日常をつづります。

もしもラッスンゴレライという名のスパイスがあったら

仕事帰りに山用品の店でまた散財して、八重洲のダバインディアに行った。南インドのカレーをミールスという土着的な方法で食べられる店だ。(ただし、本場の方法に比べるとかなり簡略化されていると聞く。) しかし私がこの店を好く最大の理由は、店内の壁か青く塗られていることだ。座っている人、置いてあるもの、全てを美しく見せるラピスラズリ調の深い青である。壁を背に座る女性を8割増しで美しく見せる魔法の壁だ。

私が席に着き、ミールスを頼むと真心ブラザーズYo-Kingが入店してきた。男性を1人、美しい女性を2人連れていた。隣では、信じられない量のナンとカレー(ナン3種6枚とカレーを4つ)を1人で頼むインド人。おそらくビジネス出張の合間に訪れたのだろう。反対側には遅刻の連絡が遅いだのなんだのという高校生のような理由で痴話喧嘩をおっぱじめる中年カップル。私は1人だ。

バナナの皮の上で3種類のカレーと2種類のスープ(店員の説明聞いて私はいつもカレーとスープの違いとは⁉︎と思っているが)、野菜炒め、米をバナナの葉っぱの上でグチャグチャと混ぜながら、混沌とした店内の雑音に耳を委ねていた。カレーは色んな味がする。たまに苦手な香りや辛すぎるスパイスがある。おおよそ市井の人々もそんなもんだろう。

帰りにレジのところとインド人ビジネスマンと話をした。何しに来たのかどこに住んでいるとか。英語の発音を褒められた。お世辞でも嬉しいということはある。

様々な感情のなかで寂しさという気持ちの分が悪くなるということは今年も春が来たということだ。