鮫島さんの朝の夢 

新米サラリーマンが日常をつづります。

水牛娘、新しい歌を歌う

フジロックバッファロードーターのライブを見た。私にとってはそれが2014年のフジロックを締めくくる最後のアクトとなった。

ループが基本のミニマルミュージックは、シンセのプログラムを全部記録媒体に落とし込んで、多少の生音で味つけするにせよカラオケ状態でライブするのが主流の昨今、あくまでも生シンセを貫き通すバッファロードーター。

新しい楽器はタイム感までプログラムすることができるけど、昔のシンセサイザーはワンウェイ。特有のタイム感を松下敦がグルーヴィーに料理していく。両女史のボーカルはオリエンタルな味付け。そこにはその方法でしか作り出せない音楽がある。

決して誰もが口ずさめる歌ではない。しかし、かつての新鋭ノイズバンドは地下深くの静かなところで今でも昔のやり方を貫き通し、観客が発する微かで複雑なそれぞれの夏の光に反射して、デビアスのダイヤモンドに匹敵する輝きを放っていた。